怠け者の自分が仕事しながらでも、創作活動を続けるために

※2018年6月11日 にブログサービス「note」で公開した文章をtenariに移行しました。

見出し画像

社会人に必要な習慣の多さと言ったらすごくて、部屋の掃除とか、家賃振り込みとか、Bluetoothイヤホンをたまに充電するとか、挙げていくときりがない。きりがないので“仕事をする”というような生活に関わる重大で大きなタスクを前にすると、それら“やれる時にやる”ようなレベルの小さな習慣がどうしても見えにくくなって来る。結果、捨てるくらいなら電子化サービスに送ろう思ってとりあえず床に置いた34冊の本が、2週間近く放置されるというような事態を招く。今の私です。

創作しなくても死にはしない、けど…

そういった”弱い”習慣の中には”自主制作をやる”という項目もあって、これもまた直接的に生命に関わる重要度は薄い一方、出来ずにいるとじわじわと精神衛生を脅かしてくる。けど私は人一倍怠け癖があるので、仕事があれば「仕事先に片付けんと…」と言って制作しないし、ちょっとスケジュールに隙間できたかと思うと「いやでも週明けからまた稼働するからちょっと休んどこ…」とか言ってダラけてしまう。

大学院を卒業後も制作を続けてこうと思っていたはずがそんな性格なので、以前作った電子枯山水の作品は思いついてからまるっと一年もかかってしまった。ちょっと言い訳をさせてもらうと、基板や樹脂パーツの発注をかけると届くまで1週間単位でかかってしまうので、なんというか制作するタイミングとモチベーションのリズムを合わせるのが難しいんです…

習慣化を”頑張る”ではなく”ハードルを下げる”

これは何とかしなきゃと思って考えた結果“電子部品のいけばな”という着地点を見つけた。電子回路を”いける”というプロセスで、毎週1作品ずつ、小さな立体作品をInstagramに投稿している。この“毎週1作品”というのが続けやすさに大きく関わっている。

このアカウント、投稿は週1ペースなのだけど毎週1作品作ってるわけではなくて、5~6作品を作りためて一気に撮影している。ネタが決まれば1個完成するのに30分程度で、長くかかっても2時間ほど。

けれど毎週1個作るというマメな事ができるはずもないのと、撮影ブースのセッティングが地味に時間がかかるので、まとめて撮って小出しにするという方法を選んだ。

自分にも周りにも”続けてる空気”を保ち続ける

良い作品が完成すると結構テンションが上がってすぐにまとめて投稿したくなるんだけど、ぐっと我慢して週に一回チビチビ出す。これには大きな理由が2つあって、一つは怠け防止で、自然な締め切りを発生させるため。

撮った作品をドカッと5個まとめて投稿すると”次はまた一か月後に投稿しよっかな”となる。これはハッキリ言ってやらない。ズルズルと先延ばしにして、結果やらなくなる。

一方で5つのストックを週1でポストしていくと、次の締め切りを徐々に意識するので”気がついたらもう次の予定来週だ…“みたいなことにならないし、5回連続で毎週出してると流れを止める気持ち悪さの方が勝つので、モチベーションも保ちやすい。月1と週1では意識の上り方が全く違ってくる。週に1回だけのInstagram投稿だったら怠け者でSNS依存気味の自分でもできるぞ!となって、今のところ1か月以上続けられている。

週に1度投稿するもう一つの理由は、周りに創作活動を続けていることを認知してもらうため。

美大だと、卒業する直前直後にはみんなが“アーティストとして生きていくか、金のために仕事で製作するか”みたいな話を大概するんだけど、まぁ何となくそれぞれが折り合いをつけながらその中間で生きていたりするわけで。“クライアントワークに全振りしたいわけではない”という空気感を出すためにも、半年に1回よりは、月に1回よりは、毎週何かを投稿している方がそういう情報や機会を逃さずに済むだろうと思っている。

気持ちや活力は内部からはコントロールできない

習慣のような継続的な気持ちの問題は“頑張る”だけでは多くの場合どうにもならないと思う。自分がどういう性格で、どういう状況に身を置けばやるようになるのかということを、一度引いて見て自らの気持ちをハックするという姿勢が自分の場合は少なくとも必要だった。

あとは当たり前の話だけど自分ではどうにもコントロールできない“反響”の力はすごくて、ある程度のフォーマットでまとめて知ってる人に見てもらう、くらいのノリのInstagramアカウントだったのが、写真ツイートで自分史上最高の4000ふぁぼ超えたりすると明らかにモチベーションに違いが出てきた(中でも自分でも作ってみたという投稿があって、自分的にはそれが相当嬉しかった)。明らかなバズ狙いみたいなものはあまり好きじゃないんだけど、そういうモチベーション維持のためのバズりも多少狙ってみる姿勢というのはあながち間違ってないかもしれない…と感じた。とにかく怠け癖がひどいので、活用できるものはしておいたほうが良い。

こうして考えてみると、インターネットが無かったら出来てなかった気がするな…展示見に行きたいとか、欲しいとか言ってくださる方がいてビックリしたので、展示もしてみたいし他の作品も作りながらでとりあえず1年くらいは続けてみたいと思っている。

2020-11-03|
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です