Inkdropに憧れて、マインドマップ的ソフト”koeda”を作り始めました。

※2020年4月29日にブログサービス「note」で公開した文章をtenariに移行しました。

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ひつじです。近況については「最後に電車に乗ったのが3月30日」と言えばお察しいただけるかと思います。多分に漏れず、3月末頃にはほぼ完成していた展示プロジェクトにストップがかかり、例の件の終息を待ちながら(noteだとヘッダに注意が出るのが嫌で「名前を言ってはいけないアレ」みたいになりますね…)特にすぐ動くべき案件の無い日々を自宅で過ごしています。

いい機会なのでじっくりソフト開発をやってみたい。

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個人で開発・運用しているMarkdownエディタのInkdropを作ったTAKUYAさんという方をロールモデルとして以前から何かやりたいなと思っていたのですが「今の状況、またとないチャンスなのではないか…?」と思い、自分が欲しいソフトをじっくり作り始めることにしました。

TAKUYAさんは自分が作ったソフトを売ることで脱受託を図るということを実現した方です。100%受託の「その月暮らし」みたいな生活に不安を抱えていた自分はブログを拝見して「これだ!」と感銘を受けました。そのプロセスについてはMediumのMarkdownエディタを作って月15万円稼ぐまでにやったこと — Inkdropに詳しく書かれています。「丁寧に手を抜く」という個人ブログもあるんですが、このタイトルがエンジニアリングの本質を的確についているなと感じていて、とても好きです。

自分ができる事で何ができるか考える

4月初めに家に籠り始めてからは、今まで敬遠していたUnityや、触りたくても触れなかったHoudiniをここぞとばかりに勉強しながらも、今このご時世で自分が持っている装備や能力で何ができるだろう…?というのを結構考えていました。できる事・やってきた事・やりたい事などを俯瞰で見るためマインドマップ風メモをPCで書いていたんですが、書いているうちに、ふとあることに気付きます。

「Scappleすごく良いんだけどやっぱあと一歩合わないんだよな…」

マインドマップ用の良いソフトに出会えない…。今までマインドマップやシステム図を書くたびに色々なソフトやサービスを試してきていたんですが、見た目とか、UIの考え方とか、どこかが合わず転々としていました。一番シンプルで、ローカル環境でも動かせるScappleに結局落ち着いてるところがあったんですが、やっぱり違うんだよなー。。せめてフォントを変えさせてくれ…

ということで作ります。暫定コードネームは”koeda”

何をやろうか考えていたら、考えるためのツールそのものを作ろうという結論になりました。koeda(仮)という名前の、ノードベースで図を作るためのソフトウェアです。macでもWindowsでも動かしたいからelectronかなーと思ったので(Inkdropがelectronということもあり)初めてガッツリJSを触るし、本当にじっくり考えながらやっているので、今年中にβ版まで行けるかどうかもわからない。。続けるための保険打つために、開発日誌みたいなのを断続的に書いていこうと思っています。「作って・編集して・つなぐ」というところまでなんとかできた…。まだデータの保存すらできない。

結構長くなったので、具体的にどんなことを盛り込みたいかの夢の話はまた次回書いてみようと思います。ちゃんとお金的な意義もあるようにしたいのでその辺も考えたいけど、このソフトにおいてサブスクというビジネスモデルのためだけにクラウドベースにするのは何か違う気がしているので、その辺も考えたい…そんな感じです!

「応援よろしくお願いします!」とかもなんか違う気がするけど、一人で黙々と作り続け過ぎても息が詰まりそう。なので、隣の家のベランダでプチトマトが育ってきたみたいな感覚でnoteなど眺めていただけますと幸いです…!ソフトウェアに興味ある方は、βテストができそうなフェーズで是非ご協力いただきたいとも思ってますので、お声掛けいただけるとモチベーションも上がります。

追伸:フリーエンジニアは受託開発に頼らざるを得ないのか

広告イベントや展示などでコンピューターを使った表現に関わる仕事が殆どの私の場合、今年仕事があるかどうかも正直ちょっと良く分からない状況です。

そんな状況も手伝って、以前から感じていた「このままフリーで受託開発で食べていく生活を、続けていった先には何があるのか…?」みたいな思いが一層強まってきました。

※一つだけ補足しますと、受託やりたくない!みたいなことでは無いです。面白い仕事はたくさんある。誤解で仕事減ったら困るので、、あくまで100%受託に依存した生活って危うくない?という事を感じています。

妻が自分と同じ美術大学の工芸科出身なので、同世代の工芸出身の人たちがどんな暮らしぶりをしているかという事が時折耳に入ってきます。(写真は妻の知人で陶芸家・坂爪康太郎さんの”polygon cup”)作品以外にもアクセサリーや食器を作って売ったりしている話を聞くと「自分発信でモノを作って売る」という姿勢が、すごく平たく言うと「言われたものを作る」という自分の立場から見てとても格好良く見えています。

しかし情報系は、考えれば考えるほどこの辺が難しい…生活に根差したソフトウェアやサービスは大企業が大体の物を作ってやっているし、ハードウェア≒家電はそもそも量産や安全性などちょっと個人でやれる規模ではないです。服・食器・食べ物のように使うものを頻繁に取り換えるものじゃない要素が多いので、同じようなモデルで何かを作るというのは難しいように思いました。

そうなるとやっぱり受託業務からは逃れられないのか…TAKUYAさんはInkdropの開発経緯を「僕は別に特別でもなんでもありません。」という書き出しではじめています。日々畑を耕すように、工房でアクセサリーを制作するように、個人でソフトウェアを書くという形でもお金を稼げることがスタンダードになるとしたら、とても素晴らしいことだなと思います。自らを実験台にして、その景色を自分の目で確かめたいと思います。

上手くいかなかったとしたら、、TAKUYAさんがやっぱり特別だったか、自分が特別怠け者だったかという事になるかな…どちらもなんか嫌なので、手なりで頑張りたいと思います。

2020-11-03|
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